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補修した鉄筋コンクリートはりの健全性診断
近年コンクリート構造物の早期劣化問題が顕在化し,補修工事の件数,費用ともに増加の一途をたどり,これに対応して様々な補修材料および補修工法が開発されつつあります。しかしながら,補修後のコンクリート構造物の耐用性の評価,すなわち設計目的に応じた機能を発揮しているか,あるいはその構造部位が機能を維続して維持しているかに関する評価は主として目視による観察が判断の根拠となっており,補修後の接合面を中心とする内部欠陥の発生,進展に関しては全く判断材料がないのが現状です。

これまでに,コンクリート部材に AE 法を適用した事例が報告され,大きな成果をあげています。しかしながら補修したコンクリート部材への適用例はほとんど見当たりません。本研究では,劣化した部分をはつりとり,この部分に補修材を充填するきわめて一般的補修工法を適用したRC 部材を対象にして,補修後の荷重履歴の下で,部材内に進展する劣化状態を AE 法で定量的に評価することを目的として,繰り返し載荷試験を行いました。その結果,部材に新たに発生する曲げひび割れ,せん断ひび割れ,および補修材と旧コンクリートの接合面のひび割れ,剥離について,これら欠焔
の発生時期,その位置,および進展状況,さらには欠陥の種類を AE 計測によって評価できることが示されました。さらに,カイザー効果の不成立状態を数値化した CBI 比を用いることにより,構造物の健全性を診断できる可能性のあることが確認されました。

 (東京工業大学との共同研究)
供試体の寸法,強化個所及び配筋図 AEセンサー及び各種トランスデューサーの配置

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