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 アコースティックエミッション(AE)とは?

アコースティックエミッション(AE)は、「材料が変形したりき裂が発生したりする際に材料が内部に蓄えていたひずみエネルギーを弾性波として放出する現象」と定義されている。この弾性波を材料の表面に設置した変換子すなわちAEセンサで検出し、信号処理を行うことにより材料の破壊過程を評価する手法がアコースティックエミッション(AE)法である。身近な例では、地震も一種のAEと考えることができる。断層に亀裂が発生すると地震(AE)が発生し、地面の上(材料の表面)にいる私達はAEを揺れとして感じることができる。検出されるAE信号は通常、数kHz~数MHzに周波数帯域を持つ。例えば金属材料では発生するAEは主として100~1000kHzの周波数領域に成分をもつ信号が多く放出される。信号を検出する為に使用するAEセンサは、一般的にPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)などの圧電素子を内蔵し、接着剤やシリコングリースなどの音響カップラを介して材料表面に密着させてAE信号を検出する。
 アコースティックエミッション(AE)信号の分類

  • 突発型波形
  • 観察されるAE信号は性質を異にする2種類に分類できる。一つは下図左に示す立ち上がりが鋭く減哀する突発型と呼ばれるAE波形でもう一つは下図右に示すような、比較的周波数の高い連続したAE波形である。突発型AE波形は、主に固体内で生ずるき裂進展や変態に伴い放出されるため、破壊の進展に対応して検出される。この突発型AE波形の形状と発生するき裂の間には下記の相関がある。
  • 1)発生数:亀裂の進展数 2)振 幅:亀裂の進展量 3)エネルギー:亀裂の進展面積 4)周波数:材料により決定
  • 連続型波形
  • これに対し、連続型AE波形は上記の突発型AE波形が多数重なって発生したものと考えられ、主に材料の変形、摩擦・摩耗あるいは漏洩により発生する。この突発型AE波形の形状と発生する摩擦・摩耗の間には下記の相関がある。
  • 1)RMS値:摩擦係数 2)エネルギー:摩擦・摩耗量 3)周波数:材料により決定
  a)突発型AE波形  b)連続型AE波形

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